声楽とポップスの「声の出し方」の違いってあるんかな??? けい・ボイスラボの考え方

昔テレビで見た三大テノール(世界的に有名な男性オペラ歌手ドミンゴ・パバロッティ・カレーラス)のコンサートで、「川の流れのように」や「マイ・ウェイ」を朗々と歌う3人。素晴らしい歌声ですが、本家の美空ひばりさんや、フランク・シナトラ氏と比べると、声の出し方が何か違うな…とその頃は何となく思っていました。みなさんは、このような声楽とポップスの「発声法の違い」を感じられたことがありませんか?

勉強したことがある方はお分かりになると思いますが、クラシックの発声法とポピュラーソングの発声法は、基本的には、違います。以下にざっくりと説明しますね。

○クラシックの発声法:生声でも大ホールで聞こえる響き重視の声を求められる。その為腹式呼吸を使う。

○ポピュラーの発声法:マイクを通すことが多い。話し声に近い芯のある声を求められる。

以上、終わり……………………………………いやいや、色々他にもあるかもしれませんが…

私の考えでは、上記の違いがざっくりと大きな、そして重要な違いだと思います。

なので、クラシックを習うのに、ポピュラー専門の先生に習えませんし、ポピュラーが歌いたいのに、クラシック専門の先生に習っても「???」となります。

例:「ハバネラ」を歌いたくて、Jポップが得意な先生のところに行けば、ギター(弾けたらね)片手にポップなハバネラが歌えるようになりますし、「パプリカ」が歌いたくて声楽の先生のところで真面目に習えば、確実にオペラのように朗々とパプリカが歌えるようになります。同じ「ハバネラ」「パプリカ」をホーミーの先生に習えばモンゴルに行きたく、、、、なるかもしれません知らんけど。

曲のジャンルで分けるのではなく、発声法が違えばジャンルが違ってくる、ということです。

ただし、各発声法はある部分で重なり合っていて、根本的に全く違うというわけではないんです。どんなジャンルでも声を響かせたい場合にはクラシック的な発声が必要ですし、芯のある声が欲しい時にはポピュラーの訓練をした方が良い場合もあります。

けい・ボイスラボでの発声法は響きを重視した管楽器のような声を「ブルー」声帯の触れ合いによる金属的な振動をもつ声を「レッド」と呼び、別々に訓練していきます。最終的に二つの声の組み合わせを自在にできるようになるのが目標です(ユナイテッドボイスと呼んでいます)。これにより、曲のジャンルに関係なく幅広い表現ができるようになるのではないか、と私は思います。

上記を踏まえ、最初に書きました「クラシックの発声法とポピュラーソングの発声法は、基本的には、違う」という言葉に書き添えるとするなら、「基本的には違うが、根本的には同じ。表現の仕方によって、発声を変えることができるのが理想的。」としたいところです。また、私自身声楽とポピュラー両方を歌えるようになりたいと思いエクササイズに取り組み、レッスンを受けられる皆様の声について「どのような要素が必要か」をお伝えし、改善のお手伝いができるよう日々勉強しておりますので、どうぞよろしくお願いします。